【すぐ形にしてみた #01】樹脂ギア試作 ~型製作から射出成形まで~

※本記事では、樹脂型の製作から射出成形までを短期間で実現した試作事例をご紹介します。

「ちょっと形にして確認したい」

そんな場面、開発現場では多いのではないでしょうか。


当社では、そうしたニーズに切削加工で応える試作例を
「すぐ形にしてみた」シリーズとしてご紹介しています。


その第一回目として、今回は樹脂ギアの射出成形に取り組みました。


近年、装置の軽量化や静音化ニーズを背景に、歯車の樹脂化が進んでいます。
試作段階ではさまざまな樹脂材料での検証が求められ、特に静音性の確認には実際の成形品による評価が欠かせません。


本記事では、当社「Labonos」を用いた樹脂型の製作と
卓上成形機による射出成形を行った一連の流れをご紹介します。



〇実際の流れ


  1. 歯車の設計(試作フロー①)
    CADによる3D設計。

  2. 樹脂型の設計(試作フロー②)
    ブロック形状から歯車形状を切り取り、PLとゲートを設けた簡易的な構成です。

  3. Labonosによる加工(試作フロー③)
    シミュレーションから加工までを一貫して実施。

  4. モールドロックによる成形(試作フロー④)
    加工した型を用いて、実際に射出成形を行います。

それぞれの工程について、もう少し詳しくご紹介します。



1.歯車の設計(試作フロー①)


Fusion 360のジェネレーターを使用し、歯車形状を作成しました。
今回は直径約13mmの小型歯車としています。

歯車の3Dモデリング設計

歯車の設計(モデリング)


2.樹脂型の設計(試作フロー②)


モールドベースに合わせたベースブロックから歯車形状を切り取り、以下の要素を設計します。


  • 軸ピン
  • ゲート
  • パーティングライン
  • モールドベース取付穴

すぐに形にすることを重視し、かつ設計工数を抑える目的で、構造はシンプルに設計しています。
なお今回は、複数の樹脂材料での試作検証を想定し、収縮率は考慮せず、設計形状そのままに型設計を行っています。

樹脂型3Dモデリング設計

樹脂型の設計(モデリング)


3.Labonosによる加工(試作フロー③)


Labonosは、3Dモデルデータがあれば


  • CAM操作不要
  • デバッグ作業不要
  • 段取り替え不要

といった特長があり、操作時間わずか5分で加工開始が可能です。

Labonos操作画面

Labonosの操作画面

※別途、演算時間(シミュレーション)が必要になります。
※一連の操作動画を限定公開しています。


条件にもよりますが、今回のケースでは、上型・下型ともに


  • 演算時間:約7分
  • 加工時間:約4時間30分

で完成しました。

Labonosで出力した樹脂型(モールドベース組付け状態)

Labonosで出力した樹脂型(モールドベース組付け状態)


4.モールドロックによる成形(試作フロー④)


加工した型を用いて、実際に射出成形を行いました。
当社では卓上成形機「モールドロック」を保有しており、本検証もこちらで実施しています。
今回はPOM材料にて成形を行いました。


成形条件

  • 溶融温度:210℃
  • 射出推力:400kgf
  • 射出率:7.5cc/sec

成形品がこちら →

樹脂型を利用した射出成型品

樹脂型による成形品

冷却時間はやや長くなるものの、目視で確認できるようなヒケやボイドは見られず、表面状態も良好な仕上がりとなりました。
歯車設計の着手から、わずか1日半で成形品まで確認することができました。


思い立ったタイミングで”すぐに形にできる”環境づくり。
短期間で実物による検証が可能な試作手法として、開発スピード向上に貢献する一例です。
この可能性を感じていただければ幸いです。

「自社でも出来るか?」といったご相談も含め、ぜひお気軽にお問い合わせください。


▶ Labonosの詳細説明・デモのご相談も受け付けております。